音作りの幅★☆☆☆☆
コストパフォーマンス★★☆☆☆
オススメ度★★☆☆☆
BOSS現行ディストーションは数多くありますが、このMD-2は最新のアナログティストーションとなっております。
とはいえ発売は2001年と結構前になりますので、なかなかの長寿モデルと言えるでしょう。
でもなぜかこれを使っているギタリストってそんなに多くありません。
今回はそんな長寿の割に評価の薄いMD-2をご紹介します。
このMD-2は2つのゲインコントロールと2つのトーンコントロールを持っています。
ゲインはプリゲインとポストゲインのような関係になっていて、DISTがプリゲイン、GAIN BOOSTがポストゲインのように働きます。
DISTを上げるとスムーズでスタンダードな歪みが増えていき、GAIN BOOSTを上げるとそこにザラザラとした質感とサステインが加わっていきます。
この2つのゲインの組み合わせによりスタンダードなディストーションサウンドからエグい極悪なブルータルサウンドまでカバーしています。
その代わりローゲインな設定はほとんど不可能で、ゲインを抑えるととても貧弱なカスカスの音になってしまいます。
そもそもコンセプトとしてBOSS史上最高のゲイン量を掲げているわけですから、ハイゲインに特化したペダルなのでそれでいいんです。
トーンコントロールはスタンダードなTONEと、低域を調整するBOTTOM。
TONEで基本的なトーンシェイピングを行い、BOTTOMで低域を付加していくようにするのが基本です。
このBOTTOMが効く低域は6弦ギターよりも更に下の方に設定されているようで、6弦ギターで上げていくとどんどん音が潰れてズモズモしてきます。
7弦、8弦といった多弦ギターではまさに最低音のところに効いてくるため、コンボアンプなど低域が苦手なアンプでもロー弦を響かせられるでしょう。
音色はDS-1とMT-2の中間からややDS-1寄りの、どちらかと言うとスタンダードな歪みになっています。
音の粒が荒くコンプレッションも少なめなので、メタルな刻みよりはパンキッシュなストロークやドゥームなサステインを効かせるジャンルの方が得意な印象です。
しかしMD-2の立ち位置として、DS-1ほどクラシックに割り切っておらず、MT-2ほどメタル的に使えるわけでもないという非常に中途半端なところにあるのが問題です。
しかもデジタルではないのでST-2やML-2に比べるとノイズ面で不利というのも難点です。
サウンドもアンプライクな感じではないですし、MD-2くらいの歪み量なら最近のアンプは余裕で出してきます。
そうした中途半端で使い道が思ったほど見つからない、あるいは他のペダルで事が足りてしまうというのがMD-2の評価を薄くしている原因かと思います。
昨今はアンプライクなエフェクターが評価されるきらいがあります。
ピッキングニュアンスによく反応したり、ゲイン幅が広く取られていたり、EQがよく効いたりするものほど人気です。
反面、MD-2はピッキングニュアンスに関係なく歪んでしまうし、ハイゲイン前提だし、EQもよく効くとは言い難いし・・・と難点ばかりが目についてしまいます。
しかしながらこのいかにもエフェクターらしい融通の効かないサウンドは、逆にアンプライクなエフェクターが市場に溢れている今だからこそ、もっと注目されてもいいと考えてしまいます。
「このわざとらしいハイゲイン!」という大味なディストーションを今あえて使ってみるというのも面白いかもしれませんね。
以上、BOSSのMD-2 Mega Distortionでした。
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