音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★☆
ファズ界で最も知名度と人気があるのがEHXのビッグマフ。
発売当初から何度もモデルチェンジを経ながら、現在でもあの大きな筐体と轟音は唯一無二のものがあります。
また現行ビッグマフにも様々な種類がラインナップされており、それぞれ非常に個性豊かなサウンドを持っています。
今回はそのビッグマフファミリーの中から最新モデルであるGreen Russian Big Muff(以下GRBM)をご紹介します。
このGRBMはビッグマフの歴史の中に存在したソビエトで生産されていた頃のマフ、いわゆるロシアンマフを再現したモデルです。
ロシアンマフと一口にいってもマニアの間では細かく分類がされるものですが、そのサウンドの特徴としては大まかに以下のようなものが挙げられます。
①ファズというよりディストーション寄りなスムーズな歪み
②ベースにも使っていける濃密な重低音
③ややダークなトーン
これらの特徴からマフの中でも比較的扱いやすく、現代的なサウンドを作り出せることで非常に人気が高いのがロシアンマフです。
もちろん現在では生産されていないためロシアンマフは高値で取引されています。
そんな中でこのGRBMが発売されることになったのは、マフ好きには大きなニュースでした。
GRBMはロシアンマフを現代のペダルボードにも組み込みやすいようにMXRサイズ(EHXでいうところのnanoサイズ)で再現しています。
サウンドは前述のとおりロシアンマフの特徴を踏襲しており、ファズとディストーションの中間に収まっています。
ファズというにはやや荒々しさが抑えられ、ディストーションというには低域が潰れて高域がスイートなそのサウンドは、まさにこのGRBMならではと言えるでしょう。
トーンの可変域はかなり広く、また変化の具合に特徴があります。
反時計回りに回すとハイカット+ローブースト、時計回りに回すとハイブースト+ローカットというように働きます。
このためギターやアンプを問わず幅広く使っていけますし、ビッグマフのイメージからは想像もできないほど甘く滑らかなサウンドも作り出せます。
特にトーンを絞りきった時のダークでドゥームなサウンドは、スローなリフものの曲にとても良く合います。
ゲインが最小でも歪むのはビッグマフのお約束。
そこから12時位までは素直にゲインが上がっていきます。ここらへんはかなり現代的なペダルっぽい操作性の良さです。
12時以降はゲイン量というよりはサステインが増加していく印象で、低域もズブズブと潰れていきます。
ボリュームはかなり大きめです。
バイパス音とのユニティゲインは10時程度ですが、GRBMはボリュームノブの設定でも音が変わってくるのが難しいところです。
個人的には1時~2時くらいに設定してやると、ちょうどよく低域が潰れ、ファズっぽいブチブチチリチリした暴れ感のあるサウンドになって美味しいと思いました。
もっとディストーションっぽくするならボリュームを下げ、ファズっぽくするならボリュームを上げることで対応できるような印象です。
とはいえ本当にボリュームが大きいので、あまり上げすぎてアンサンブルを壊してしまわないよう注意しましょう。
サウンドの扱いやすさや価格の安さ、そして何よりも見た目のかっこよさからどんな人にもオススメできるファズです。
トーンを上げすぎなければ音も破綻しませんので、初めてのファズとしてもベストな選択肢かと思います。
ベースにも使えるほど豊かな低音を是非とも味わってみてください。
試奏動画もアップしています。
以上、EHXのGreen Russian Big Muffでした。
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