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2019年5月27日月曜日

【エフェクター】YOSギター工房 Smoggy Overdrive

歪み量★★☆☆☆
音作りの幅★★★☆☆
コストパフォーマンス★☆☆☆☆
オススメ度★★★☆☆

国内のギター工房であるYOSギター工房から発売されているSmoggy Overdriveをご紹介します。
何よりもまず目に入るのはこの美しい筐体とノブですが、これは同じく国内のHATAにより制作されるアルミ削り出しの技術によるものです。
実際持ってみるとわかりますが、通常のエフェクターに比べても重量感があり、また筐体にもかなりの厚みがあります。
これによってノイズにかなり強くなっており、普通に使う分にはまずノイズで悩まされることがないでしょう。

音は微妙にクリーンがミックスされ、TS系の気配がします。
しかしながら極端なミドルの押し出しや低域高域の削がれ感は無く、どこかトランスペアレント系の雰囲気も感じられます。
下手に○○系というよりは、Smoggyの持つオリジナリティある音というのが正直なところです。
また先述の筐体によるノイズへの強さからか、かなりS/N比が良く感じられます。
音自体は適度なコンプレッション感があるのですが、大音量ではダイナミクスに富む印象も受けます。
ここも含めてSmoggyならではの音に仕上がっていると感じられますね。

ゲイン量としては最大にしてもオーバードライブの範疇から逸脱することはなく、いたって扱いやすいものになっています。
ゲインを最小にすればほぼ完全なクリーンにすることもでき、プリアンプ的に使うことも可能となっています。
ゲインを上げていくと低域がブーミーになったりするオーバードライブもありますが、Smoggyはそういうことがなく、あらゆるポジションで満遍なく使える音が出てくるのも素晴らしいポイントです。

トーンの可変幅は標準的ですが、12時方向がフラットというよりは3時くらいがフラットな印象を受けます。
つまるところカット方向に大きくコントロール幅をとったトーンと言えるでしょう。
これはシングルコイルPUを使った場合に暴れがちな高域を制御するのにとても便利で、特に大音量では耳に痛くなりがちなところを上手く抑えることが可能です。
逆にハムバッカーであっても、3時を起点として調整してやることでSmoggyの旨味を活かすことが可能です。

ボリュームは10時~12時くらいで原音と同じ音量になります。
単体で使うもよし、ブースターとして使うもよしな良い塩梅だと思います。
ただ全開にしても爆音になるわけではないので、ブースターとして使う場合は適宜ゲインも組み合わせてやるのが肝要です。
TS系ともトランスペアレント系とも違う独特のブースト感は好みが分かれそうですが、決して扱いにくいわけではなく、むしろ積極的にSmoggyを弄って好みのブースト感を探る楽しみがあると言えます。

総評してかなり完成度が高くオリジナリティもあるオーバードライブだと言えます。
個人的にはボリューム10時~12時、トーン3時、ゲイン7時~8時に設定してクリーンサウンドのプリアンプ的に使っています。
手持ちのハムバッカーは出力が高く真空管アンプだとどうしても歪んでしまうため、Smoggyで出力を落としつつトーン補正を加えてやる感じですね。
明らかに素のクリーンよりも音にハリとツヤが出て、素晴らしいものになりました。

Smoggyの持つ欠点といえば、その価格でしょう。
特殊な加工技術を以て作られるため、オーバードライブにしてはかなり高額な値段設定となっています。
オリジナリティある音とは言っても、現在は3万円も出せば素晴らしい音が得られるエフェクターが多いため、はっきり言ってコストパフォーマンスは劣悪な部類でしょう。
また筐体に使われるアルミは柔らかいもののようで、エフェクターボードの角なんかにぶつけると普通に筐体に凹み傷がついたりします。
私のSmoggyも見事に凹み傷がついてしまい、美しい筐体と高価格のため結構ショックでした。
指紋や皮脂汚れも目立つ筐体のため、取扱には十分注意しましょう。

手に入れるには滅多に出てこない中古を待つか、YOSさんが不定期に作るのを待つしかありませんが、エフェクターが好きならば所有する価値のある一品です。
そのサウンドの完成度の高さや筐体の美しさから、試奏せずに買っても後悔することの少ない稀有なエフェクターですので、見かけたら即購入することをオススメします。


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