音作りの幅★★☆☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★★
2016年に発売されるやいなや、圧倒的な再現性と音の良さで即完売が続いた国産プリアンプペダル。
2017年中頃まではHW版としてリリースされていたが、現在はPCB版としてマイナーチェンジされて販売されている。
まずもって見た目が素晴らしい。
ヘアライン加工されたゴールドパネルにゴールドノブ。筐体を覆うトーレックス。
刻印された各種コントロール表記。そして一目であのアンプとわかる4つ穴。
機材が好きな人なら垂涎モノでしょう。
4つ穴は見た目だけではなく、本家と同様にチャンネルリンクが可能です。
チャンネルリンクのつなぎ方や、インプットする箇所に応じて音が激変するのも、
いかにも本物のアンプさながら。
コントロールが3バンドEQにLoudness1、Loudness2、マスターボリュームというのも、アンプを弄る感覚で楽しい。
音はまさに状態の良いプレキシアンプといった感じで、トレブリーながら低域の物足りなさも無く、ピッキングニュアンスやギター側のボリュームへの追従性も良い。
プレキシらしくゲイン量は現代の感覚でみると控えめだが、高出力のPUであればハードロックやオールドスクールなメタルまでは単体でも十分対応できます。
しかしながら前段にブースターを噛ませればかなりのハイゲインまでこなせるのも使い勝手が良いですね。
もちろんLoudnessを絞ればクリーンにもできるため、あらゆる状況に対応できます。
隠し技として18Vまでは対応できる(公式に確認し、私自身動作確認済み)ので、ゲインを多少落としてもより音にハリが欲しい場合は高電圧駆動させてもいいでしょう。
ボリュームも大きく、50~100Wのヘッドのリターンに接続すれば4x12キャビネットを十分に鳴らし切る事が可能だし、パワーアンプもドライブさせられます。
以上素晴らしい点を挙げてきたが、もちろん欠点もあります。
まずフットスイッチが存在しないため、常時ON状態で使うことになります。
このエフェクターのコンセプトが「完全なプリアンプ」であるため仕方ないことではありますが、現代のエフェクター事情からすれば少々使いにくいのも否めません。
そのためON/OFFを切り替えたいのであればループスイッチャーと組み合わせる必要があります。
まあ今はOne Controlなどからシンプルな1ループスイッチャーなども出ているためとりわけ大きな障害となるほどでもないでしょう。
次にHW版とPCB版で大きく音が異なること。
HW版は完全にプリアンプとして使うことに割り切っているようで、アンプのインプットに挿すと非常にトレブリーで、かつ音が大きいです。
PCB版はHW版に比べるとボリュームが控えめになっており、アンプのインプットに挿しても使いやすいようにイコライジングも調整されています。
さながらHW版はプリアンプ、PCB版は普通のオーバードライブエフェクターといった印象。
さらに筐体のサイズもHW版よりPCB版の方が一回り大きくなっており、アウトプットジャックと電源の位置も変わっています。
一概にどちらが良いかは言えませんが、個人的には59 preampの良さはHW版にこそあると思っています。
そして、EQの効きがアンプライクすぎる点。
3バンドEQを搭載しているものの積極的な音作りに使っていけるかというと正直微妙で、微調整~音の傾向をある程度決める程度のもの。
プレゼンスコントロールが無く、Loudness1でゲインと併せて調整するような形のため、思ったようにコントロールするのが難しいです。
この音が好きであれば何の問題も無いが、もっと作り込みたい場合はグライコなど各種EQで対応するか、素直に別のペダルを使ったほうが良いでしょう。
とはいえ欠点らしい欠点は以上の3点くらいであり、総じて非常にクオリティの高いプレキシ系プリアンプであることには違いありません。
私としてはようやく歪みの終着点が見つかったような気分で、HW版を2つ所持しています。
現在HW版を手に入れるには中古を探すしかないのだが、だいたい2万円ちょっとが相場のようです。
それでも流通数がそれほど多いわけではなく、また手放す人も少ないため中古で見つけたら即決してもいいと思います。
まずは新品で店頭においてある確率も高いPCB版を試してみるのも良いでしょう。もしかしたらPCB版の方が好みな場合もありえますから。
HW版ではありますが私自身の試奏動画もあるのでチェックしてみてください。
以上、現在私がメインの歪みとして愛用しているFlying Teapotの59 preampでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿