音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★☆☆
手軽に自分の音を持ち運べるということで近年人気を博しているミニサイズのアンプヘッド。
その市場にハイゲインサウンドの雄であるメサがぶち込んできたのがこのミニレクチファイアです。
ひと目見てわかる鉄板フロントパネルとメタルノブは、上位アンプと同様の所有感を満たしてくれます。
電源を投入すれば内部がLEDで照らされるためステージでの見栄えもバツグンと見た目は満点。
加えて2ch搭載で実用性も高いのが素晴らしいですね。
25Wのミニヘッドながら2ch搭載し、各ch独立してEQ、ゲイン、ボリュームをコントロールできるためクリーンと歪みを細かくサウンドメイク可能です。
さらに1chはクリーンとクランチ、2chはビンテージとモダンのモードを切り替えられるため計4種類の音色を持っています。
クリーンはメサ特有のクリスタルクリーンでエフェクターのノリがよく、様々なジャンルに向いています。
クランチはオールドな真空管アンプをドライブさせたようないなたいサウンド。ブースターと組み合わせるとリフモノにぴったりです。
ビンテージはブリティッシュ系なミドルが熱いドライブサウンド。これが嫌いなギタリストはいないのではないかという音です。
モダンはまさにレクチサウンド。硬質なメタルサウンドでリフにもリードにも抜けが良いのがポイントです。
どのモードでも共通してノイズがかなり少ないのが素晴らしいですね。
また各chごとにトライオード(15W)とペントード(25W)の切り替えができるのも上位アンプから受け継いでいます。
15Wの方が小音量ですが深く歪み、25Wの方が大音量でダイナミクスに富みます。
これは音量の違いというよりはサウンドの違いとして捉え、自分にあったサウンドの方を選択するのが良いでしょう。
15Wでも十分ライブで使えるほどの音量は出ますので。
フットスイッチ用の端子を前面に備えているのも嬉しいポイントです。ライブで素早くセットアップすることが可能になります。
チャンネル切り替えはシームレスではなく、一瞬無音になるのが少し残念です。
また背面にエフェクトループを備えています。
こうしたタイプのアンプで気になるのは重量ですが、このミニレクチは5.5kgと軽量な部類に入ります。
電車移動や自転車移動でも十分持ち運ぶことが可能な範囲です。
これさえ持ち運べれば、あとはペダルを1つくらいギグバッグのポケットに忍ばせる程度で大概のライブはこなせるでしょう。
サウンドが硬質なため、個人的にはTS系のブースターをいっしょにして使いたいところです。
ちなみに。
キャビネットとの相性ですが、一般的なスタジオによく置いてあるMarshall 1960タイプのキャビネットとは相性は微妙だったりします。
かなり中域がスクープされ、耳に痛いトレブルが出てきます。
これはスピーカーケーブルを変えることでかなり緩和でき、前述の特徴はいわゆるウミヘビで繋いだ場合のものです。
私の場合はモンスターケーブルのスピーカーケーブルを使うことで、幾分ミドルにコシが出て、トレブルも抑えられた扱いやすいトーンになりました。
それでもあのいわゆるレクチファイアのトーンを得るのは厳しいところであったため、やはりあの金属キャビネットあってこそのレクチファイアトーンなのだと思います。
ミニレクチ用の1x12キャビネットも出ているため、可能であればそちらも合わせて導入できればパーフェクトでしょうね。
総評して、手軽に持ち運びができてよく歪むアンプが欲しい人にはオススメできるアンプです。
今はリバーブを搭載したモデルが出ているため、搭載されていないモデルは中古で結構安く入手できます。
音でも見た目でも所有感を満たしつつ実用性を兼ね備えた稀有なアンプです。
以上、Mesa/BoogieのMini Rectifier 25でした。
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