歪み量★★★★★
音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★☆☆
オススメ度★★★★★
7/1発売の新製品。
Ovaltoneが不定期に作り出すOD-FIVEシリーズの最新作です。
あえて全く同じサウンドを2チャンネル装備することでわかりやすい使い勝手の良さを実現しています。
コントロールはゲイン、レベル、ミドル、エッジ、ゲイン切り替えの3段スイッチをそれぞれのチャンネルに備え、また両チャンネルに効くプレゼンススイッチも用意されています。
まず全部12時にした音が凄まじく良い音というのが第一印象。
高域、中域、低域すべてがバランス良く出ていて、何も過不足がありません。
ゲイン切り替えスイッチによってゲイン量が大きく上下しますので、まずはゲイン切り替えスイッチについて触れていきましょう。
ゲイン切り替えはLOW<HIGH<ULTRAとゲイン量が上がっていきます。
LOWは一般的なオーバードライブくらいのゲイン量となっていますが、ゲインを最大まで上げればディストーションの領域まで踏み込むくらい歪みます。
その一方でゲインを絞るとほぼクリーンなくらいまで歪みを落とせます。
HIGHはHR/HMも十分にこなせてしまうほどのハイゲインモード。
普通に使う分にはこれで全く問題がないでしょう。ノイズもかなり抑えられています。
ULTRAはHIGH以上のハイゲインモードで、より低域の押し出しも強くなっています。
まさにメタルをやるためにあるようなモードで、速弾きや激しいリフなんかにうってつけです。
ゲインノブはゲイン切り替えでおおまかなゲイン量を決めた後に調整するのが良いでしょう。
このゲインノブの効き方が秀逸で、とてもリニアにゲインが変化していきます。
ゲインを絞りきると音が出なくなるのも実機アンプさながら。
12時を基準にして調整してやれば比較的簡単に目的のゲイン量に到達できるでしょう。
ただULTRAにしてゲインを3時以降にすると発振してしまうので注意が必要です。
まあULTRA自体がゲインが高いのでそんなに上げることはまずないと思いますが。
音作りの肝となるミドルに触れていきましょう。
このミドルコントロールはエフェクターライクによく効くタイプではなく、アンプのコントロールのような微調整~ある程度の音の方向性を決める程度の効き方をします。
ですのでカット方向にしてやればドンシャリ、ブースト方向にしてやればモコモコ、というような使い方ではありません。
OD-FIVE2の基本的な音は崩さないまま、ミドルの存在感を調整するような感じの使い勝手となっています。
使ってみるとわかりますが、カットしてやると音抜けは確保しながらもスッキリとした音になりますし、ブーストしてやると一気に音の存在感が増します。
次は特徴的なコントロールのエッジです。
これはわかりやすく言うと一般的なエフェクターのトーンコントロールのような働きをします。
といっても上げればジャリジャリ、下げればモコモコになるような感じではなく、これもアンプコントロールのようにささやかに音に効いてきます。
簡単に言えば音の輪郭を調整するようなコントロールになっています。
下げれば音がちょっと丸くなり滑らかな印象に、上げれば文字通りエッジが立ち攻撃的な印象になります。
これも極端な設定にしても基本的な音が崩れることはありません。
最後にプレゼンススイッチですが、これがまた効きが良い。
高域が弱いギターやアンプを使う時にはこいつを入れてやると一気に高域をブーストしてくれます。
この効果は小ワット数のアンプだと歪むだけなのでわかりにくいですが、ヘッドルームの広い大型アンプだととてもよくわかるでしょう。
音抜けを確保したり、相方のギターとの帯域棲み分けに使ったりと、様々な使い道があると思います。
ミドルやエッジのコントロールの効きが控えめな分、こちらは積極的に切り替えて音作りをしてやると良い結果につながるはずです。
音に関することは以上になりますが、ハード面にも少し触れていきましょう。
まず筐体サイズが普通の2スイッチタイプより一回り小さいです。
横幅はMXRサイズの縦幅程度に抑えられており、ボードに組み込みやすく仕上げられています。
また現在選択中のチャンネルLEDはエフェクトオフでも常に点灯しており、状況が把握しやすいです。
LEDも明るめなものがチョイスされているため暗いステージや野外でも視認性が抜群に良いです。
DCやインプット、アウトプットが全て筐体上部にまとめられているのもボードスペースの節約になりますね。プレゼンススイッチも上部なので操作しやすいです。
リモート端子があるのも、スイッチャーを使う人にはとても便利でしょう。
以上、かなりの完成度を誇るオーバードライブ/ディストーションに仕上がっています。
欠点といえば各種コントロールの効きが基本的な音を崩さない程度なのでアグレッシブな音作りができないことくらいでしょうか。
しかしまあ素の音がとても素晴らしいので特に気になるほどではありません。
むしろどう設定しても音が破綻しない程度のコントロールに抑えたことを称賛したいです。
流通量が少なく、予約しようにも即完売が相次ぐ人気商品ですが、試奏せずに買っても満足できる仕上がりになっています。
歪みに悩んでいる人にぜひともオススメしたいペダルです。
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