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2018年2月5日月曜日

【エフェクター】EMMA PisdiYAUwot

歪み量★★★★★
音作りの幅★★★★★
コストパフォーマンス★★★★★
オススメ度★★★★★

前回に引き続きEMMAから「ピスジャヴォット」の紹介です。愛称はピスジャ。
リーザと対をなすディストーションペダルで、見た目からわかるとおりメタルサウンドに特化したと言えるサウンドです。
しかしながらそれだけには収まらない、上記評価オール5の理由についてご紹介しましょう。

前述の通り、基本的なサウンド傾向はメタル向きです。
リーザが王道のマーシャル系のディストーションなら、ピスジャはレクチファイア系のディストーションと言えるでしょう。
非常に硬質な音が特徴で、初めて触れる人はとても弾きにくく感じるかと思います。
サステインが無いわけではないのですが、とても音の立ち上がりが速く、歯切れが良いのでピッキングの粗が如実に出てしまうんですね。
強いて言うならFlying Teapotの59 preampのHW版が手応えとしては近いでしょうか。
メタル系ディストーションながらサウンドにコンプ感は殆ど感じられないのも、弾きにくさを感じる要因の一つだといえます。
前段にオーバードライブなどブースターを置くことで、音の硬さはかなり緩和することが可能です。ミドルとサステインが豊かなTS系がオススメですね。

リーザは2バンドEQとバイアスコントロールでしたが、こちらは3バンドEQを搭載していますので、より直感的に音作りができます。
しかしながらこの3バンドEQは相互に干渉しあうのがなかなかクセがあるというか、慣れていないと難しく感じるポイントです。
例えばLowを上げれば低域が出る代わりに高域が引っ込みますし、逆にHighを上げれば低域が抑えられます。逆もまた然りですし、Midもそれぞれに干渉してきます。
これは上手く使いこなせると非常に有用で、バンドアンサンブルに埋もれがちなハイゲインサウンドを抜けさせたり、メタルディストーションらしからぬクラシックなトーンを作ったりすることが可能になります。
EQの効きもリーザに比べるとかなり強いので、積極的に活用していくことを想定していそうですね。逆に言えば極端な設定では音が破綻してしまいます。
前述の弾きにくさを感じさせる音の速さとこの難しいEQのせいか、ピスジャはリーザより中古でよく見かけます。

ゲイン幅は恐ろしく広いです。ゲインノブを何処に設定しても有用な音が出てきます。
チャキチャキのクランチサウンドから、スラッシーなハイゲインディストーションまで対応します。
ピスジャはゲインを下げても貧弱な音にはならないという点が大きな特徴です。そしてこれがピスジャを大いに評価するポイントです。
ゲインを7時~9時に設定した時、前述の立ち上がりの速い硬質なサウンドはたちまちカッティングに最適なジャキッとしたトーンへと変貌します。
ゲイン感や弾いた感触としてはBOSS BD-2が近いでしょうか。とてもメタル系ディストーションとは思えないサウンドになるんです。
ハイゲイン時とは異なるEQ設定が必要ではありますが、このローゲイン設定のピスジャのサウンドは一聴の価値ありですよ。

ノイズはほとんど皆無と言っていいでしょう。
これほど歪むにも関わらず、ノイズゲートがなくても大丈夫なディストーションはなかなかあるものではありません。
さすがにブースターと併用する場合は厳しいですが、アクティブPUと組み合わせればシンプルなセッティングながらノイズレスなハイゲインサウンドを楽しめるはずです。

リーザはトランジスタアンプやローゲインなコンボアンプとの相性が良かったですが、ピスジャはどうでしょうか。
結論から言うと、トランジスタアンプとの相性は微妙で、真空管アンプとの相性が良いです。
ピスジャ自体の音が硬質でドライですので、JC-120などのトランジスタアンプと組み合わせるとかなり硬質でキンキンしたサウンドになりがちです。
そういうアグレッシブなサウンドを求めるのであればアリな組み合わせですが、一般的には相性が悪いと言わざるを得ません。
逆にリーザでは相性が悪いとした真空管スタックアンプとの相性はバツグンです。
ピスジャの持つ弾きにくさ(音の硬さや速さ)が真空管によって上手い具合に中和され、弾きやすさが向上するとともに、真空管によるドライブよりもレスポンスの速いメタルサウンドになるのです。
真空管アンプであればスタックタイプでなくコンボタイプでも良好な相性を見せますが、やはりせっかくのメタル系ディストーションですからスタックタイプのでかいキャビネットからの方が、ピスジャの持つ魅力を十分に鳴らせます。

中古であれば15,000円前後ですし、コストパフォーマンスも申し分ありません。
巷のメタル系ディストーションののっぺり感にうんざりしている方や、クランチからハイゲインまで一つでこなせるディストーションを探している方にはぴったりです。
その見た目からメタルオンリーのペダルだと思われがちですが、意外やローゲインも使える、EQ次第でクラシカルな用途にも使えるというオールマイティー型ペダルです。
ぜひ一度お試しあれ。



以上、EMMAのPisdiYAUwotでした。

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