音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★★
オススメ度★★☆☆☆
BOSSの中で型番に「1」がついているのはXシリーズを除けばSD-1とDS-1のみ。
このDS-1は一時期生産終了していたものの、グランジブームと海外人気を受けて復活したというレアな経歴を持つモデルです。
DS-1Xが出た今でもラインナップされている、BOSSの看板的モデルと言えるでしょう。
音は非常にスタンダードな「ディストーション!」って感じです。
粒が粗めで、エフェクターらしくややのっぺりした質感の歪み。
決してモダンではありませんが、クラシックな系統では間違いなく一つの音の基準とも言えるサウンドです。
トーンの可変幅がとても広く、これが使い方の肝になってきます。
下げればハイカット+ローブースト、上げればハイブースト+ローカットのように働くため、作れる音の幅はとても広いです。
しかしながら極端な音になってしまいやすいことも一つの問題です。
下げすぎるとモコモコズモズモとしたヌケの悪い音に、上げ過ぎればカリカリとしたラジオのような音になってしまうのです。
そうした飛び道具的なサウンドを狙うのでなければ、実質的に使える範囲は9時~1時くらいでしょうか。
まずは10時くらいを基準にして、そこから調整していくのがオススメです。
音作りの幅は広い一方で使える範囲が狭いというのも設計が古いエフェクターらしいポイントですね。
ゲイン量についても、メタルをやるのでなければ大抵のジャンルは単体でこなせてしまうほど幅広いです。
ただし7時~9時くらいは音自体の線が細くなってしまうため使いやすいとはいいにくいサウンドです。
9時くらいから音の密度がグッと高くなり、そこから2時くらいまではリニアにゲインが上がっていきます。
2時以降はゲイン量自体はさほど変わらず、サステインが増え、音に潰れ感が加わってきます。
単体では扱いにくいと感じる場合は前段にオーバードライブを噛ませると良いでしょう。
途端にバツグンにヌケが良く扱いやすいサウンドへ激変します。
DS-1自体の音が若干乾いたサウンドですので、ミドルが豊かなTS系や、ローが十分に出るタイプのオーバードライブとの相性が良好です。
このオーバードライブとの相性の良さが、DS-1が発売当初から今でも愛され続ける理由の一つだと言えるでしょう。
特筆すべきはボリュームの小ささです。
近年の高出力なピックアップでは、バイパス音よりエフェクト音の方が小さくなってしまいがちです。
一般的なハムバッカーのバイパス音と、レベルを最大にしたエフェクト音がだいたい同じくらいです。
これは発売当時のピックアップの出力が今ほど高出力ではなかったことと、アンプにマスターボリュームがなくて音が大きくなりがちだったことが関係していると思われます。
今使うのであれば、基本的にはレベルは最大を基準にして調整していく必要があるでしょう。
はっきり言ってたくさんの高品質なエフェクターがラインナップされている現在では扱いにくさのほうが目立ちがちです。
しかしながら6000円程度でスタンダードなディストーションサウンドが得られるというコストパフォーマンスは今でも健在です。
加えてBOSSの堅牢な筐体と信頼性は他の安エフェクターにはないポイントですね。
以上、BOSSのDS-1でした。
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