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2018年3月30日金曜日

【エフェクター】Vivie Dolphin Deverb

音の綺麗さ★★★☆☆
使いやすさ★★★★★
コストパフォーマンス★★★★★
オススメ度★★★★★

近年SNSを中心に話題になっているVivieという国内エフェクターブランドがあります。
歪み系やベースプリアンプがよく注目されていますが、このDolphin Deverbはどうにも歪み系ほど注目されていないような気がします。
しかしながら実際買って試してみるとこれはなかなか通好みというか、実用性たっぷりの良いエフェクターだったのでレビューを兼ねて紹介したいと思います。

Dolphin Deverbは簡単に言うとディレイとリバーブの2in1ペダルです。
意外にもありそうでなかったタイプのエフェクトだと言えるでしょう。
まあ多機能デジタルディレイやリバーブペダルにはディレイ+リバーブのモードを備えたものもあったりしますが、Dolphin Deverbが画期的なのは以下の2点です。

①ディレイとリバーブのそれぞれのミックス具合を調整できる
②ディレイ音のみにリバーブがかかる

この2点は多機能ペダルのディレイ+リバーブのモードでは操作・再現することが難しく、結構歯がゆい思いをした人もいるはずです。
で、結局ディレイとリバーブをそれぞれ別のペダルで揃えることになったりするんですが、Dolphin Deverbなら1台で済んでしまうわけです。

まず①が非常に扱いやすいポイントです。
Deverbというコントロールでどのくらいディレイ寄りにするかリバーブ寄りにするかというのを調整できます。
1ノブで調整できるので、直感的に使うことができて良いですね。
左に回しきるとディレイのみ、右に回しきるとリバーブのみになります。
個人的な感覚だと、センターでちょっとリバーブが強めに感じられるでしょうか。10時~11時くらいで半々くらいの印象です。

②についてはこのDolphin Deverbの製品コンセプトである「原音を邪魔しないアンビエンスリバーブ」のとおりです。
ディレイ音に対してリバーブがかかる=原音に対してリバーブがかからないということです。
これは結構効果的で、特に速いパッセージを弾く時なんかは原音にリバーブがかかっていると音がボワボワして何を弾いているのかわからなくなる場合があります。
それを解消するため、リバーブペダルにはプリディレイという原音からいくらか時間が経ってからリバーブをかけるようなコントロールがあるわけですが、Dolphin Deverbはそんな面倒なことはありません。
ディレイ音にのみリバーブがかかるので、よほどショートディレイに設定していない限りリバーブ音が原音を邪魔することがありません。
非常にスッキリとサウンドを聞かせ、かつリバーブの余韻を残すことができます。

コントロールは前述したDeverbと、どの程度ディレイ+リバーブを鳴らすかのMixが大きな2つのノブ。
小さな3つのノブはディレイをコントロールするTimeとRepeat、およびリバーブに効くLow Cutとなっています。
TimeとRepeatはディレイのコントロールではありますが、ディレイ音にリバーブが効くという特性上、リバーブのコントロールとしても機能します。

Timeは一般的なリバーブでいうところのプリディレイ。原音がなってからどのくらいの時間でリバーブが鳴るか(=最初のディレイ音の鳴るタイミング)を調整します。
Repeatはどの程度リバーブ音が残るかという残響の長さ(=ディレイ音が消えるタイミング)を調整します。
ここを抑えておくと、Deverbコントロールをリバーブ側にした時のサウンドメイクがぐっと楽になります。
またLow Cutは文字通りリバーブ音の低域をカットします。
リバーブをかけると低域が膨らみがちになり、俗に言う「低域が回る」という現象が起こりやすいため、そういう時はLow Cutを上げてやると解消できます。
普通に使う分には絞りきっておいて良いでしょうし、あえて上げてやって明るめで軽い雰囲気のリバーブサウンドにしてやっても良いでしょう。
あくまでリバーブ音に効くコントロールですので、原音の低域はカットできません。

ディレイ音はややアナログっぽい感じで、徐々に劣化していくタイプです。
テープ系やBBD系の劣化というよりは、デジタルディレイに搭載されているアナログディレイ再現的な、徐々に高域が無くなっていく自然な劣化感です。
リバーブ音はホールリバーブとルームリバーブの中間からややホール寄りといった感じでしょうか。ステレオアウトではありませんが結構音の広がりを感じます。
コントロールの設定次第ではかけっぱなしで使える自然なリバーブをつくることもできます。

注意点として、Dolphin Deverbには古いタイプと新しいタイプが存在します。
古いタイプの場合、通電させてしばらく弾いていると急に無音になったり、音量低下が起こったりする場合が稀にあります。私も試奏時にその現象が起きてしまいました。
またスイッチング時にポップノイズが発生しやすい傾向にあるようです。
新しいタイプでは回路に手が加えられ、ポップノイズが鳴らないようになっています。また使用していても古いタイプにあった問題が起きないよう改善されています。
ですので買う場合は新しいタイプのものを選んだほうが無難です。価格も変わらないですし。

総じてかなり使いやすく、痒いところに手が届いた空間系ペダルです。
値段設定も1台のエフェクターと見るとやや高いように思えますが、ディレイとリバーブをそれぞれ買うよりは安いと思いますよ。
よほどお気に入りのディレイやリバーブがあるというわけでなければ、1台のペダルスペースに使い勝手の良いディレイ+リバーブが仕込めるこのペダルはかなりオススメです。
ちなみにMXRよりちょっと大きなBOSSサイズの筐体となっていますので、そこだけはご注意を。


以上、VivieのDolphin Deverbでした。

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