音作りの幅☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★★☆
Zahnrad(ツァーンラート)は日本のメーカーで、Nature Soundの姉妹ブランド的な立ち位置です。
現在は3機種のみラインナップされており、比較的高価なエフェクターが多いNature Soundに比べていずれも手に入れやすい価格帯に抑えられています。
しかしながらサウンドはNature Sound譲りのハイクオリティとなっていましたので、今回この3x2というペダルをご紹介します。
この3x2は平たく言ってしまうと1ノブのブースター/プリアンプです。
XoticのEP BoosterやMXRのMicro Ampと同じ類のものですね。
では3x2は何をモチーフにしたペダルかといえば、ノブのデザインからわかるようにフェンダーアンプのサウンドをもとにしています。
フェンダーアンプにはいわゆる「マジック6」と呼ばれるサウンドがあります。
ボリューム6、トレブル6、ミドル3、ベース2という設定のサウンドです。
この設定のときのフェンダーアンプはクリーンともクランチともつかない極上のサウンドを出すと言われています。
そのサウンドを狙ったのがこの3x2というペダルです。
ノブはボリューム調整用で、だいたい2~3くらいでユニティゲインとなります。
その他の操作系は一切無く、内部DIPスイッチなども存在しません。
内部にトリマーはありますが、操作すると故障の原因になるとのことです。
つまるところ「マジック6」以外の音は全く出せないのがこのペダルの最大の特徴ということになります。
肝心のそのサウンドですが、トレブリーながら耳に痛くない高音や、ブーミーにならず必要十分な量が確保された低域は「マジック6」云々を抜きにしてもかなり素晴らしいです。
ボリュームやピッキング、ピックアップ出力に応じてクリーンとクランチを行き来する絶妙なゲイン感はまさに往年の真空管アンプのそれです。
トランジスタアンプや、クリーン・クランチサウンドが得意ではない真空管アンプに噛ませれば、途端に化けます。
要するに、どんなアンプにもフェンダーアンプの味を加えるペダルということです。
また隠し味的に歪みエフェクターのノリを良くすることも可能です。
例えばJC-120と併せて使う場合、歪みエフェクターとJC-120との間に入れて使うことで、あたかもフェンダーアンプを歪ませているかのようなサウンドを得ることができます。
JC-120特有の気怠い低域や伸び切らない高域なんかをこの3x2で補正したところに、歪みが乗って来るイメージでしょうか。
もちろん自宅練習用のアンプや、真空管アンプなんかでも同様の効果が得られます。
無くても別に大丈夫だけど、無いよりはあったほうが絶対に良い・・・そんなペダルですね。
以上はプリアンプ的な使い方ですが、もちろんブースターとして使うのにも最適です。
ボリューム2~3でユニティゲインなので、かなりの量のブーストが可能です。
それでいながらクリーンサウンドを十八番にしているからかノイズはかなり少ないので、ゲインブースターにもボリュームブースターにも使える器用さを持っています。
サウンド傾向としては「マジック6」のイコライジングを見れば明らかです。
余計な低域はばっさりカット、中域もたっぷり盛らずに必要最小限、高域はやや強めに出しながらも耳に痛いところはカット。
だいたいこんな感じで、極端に言ってしまうとトレブルブースター的な働きをします。
ですのでTS系とは全然違いますし、前述のEP BoosterやMicro Ampとも全く異なります。
かといってトレブルブースターと比べてもそれほどローカットはされないし中高域の密度も薄めという、なかなかオリジナリティ溢れるブースト具合となっています。
バッキングよりはリード時のブースターとして使うとより魅力が際立つんじゃないかなという印象です。
1万5千円くらいということでもろにEP Boosterと食い合うようなペダルですが、個人的には断然この3x2を推します。
プリアンプ的に使った時の歪みのノリの良さとか、ボリュームブースターとして使った時に音が潰れない点とかがかなりグッドです。
ちょっとゲインブースターとして使うのはもったいないかなぁという印象もあります。
現在はなかなか品薄が続いているようですが、見つけたらぜひお気に入りの歪みペダルと組み合わせて試してみることをオススメします。
きっとその歪みペダルのさらなる魅力を引き出してくれることでしょう。
以上、Zahnradの3x2でした。
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