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2018年8月27日月曜日

【エフェクター】Ovaltone GD-013 ver 2.0

歪み量★★★★★
音作りの幅★★☆☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★★

ハンドメイド国内エフェクターブランドのOvaltoneより、GD-013を紹介します。
現在販売されているのはVer2.0と銘打たれており、前Verからデザインも音もよりブラッシュアップされています。
特に理由がなければ前Verではなく現行のVer2.0を選ぶのが良いでしょう。

分類はオーバードライブ・ディストーションで、どちらの領域も完全にカバーします。
右上の3wayスイッチにより、OD/Vintage/Distの3モードを選択できます。
ODモードではトランスペアレント系に近いような、レンジの広いオーバードライブサウンドを楽しめます。
ゲイン幅としてはほぼ完全なクリーンから、コードの分離感が分かる程度の歪み具合までといったところ。
アンプやペダルをプッシュするのにも最適なモードとなっています。

Vintageモードではオールドスクールなオーバードライブからややディストーションに踏み込むところまでをカバーします。
ODモードより中域にフォーカスされた印象で、非常にギターの美味しいところが抜けてくる感じです。
高出力なPUであれば往年のハードロックなんかに十分な歪み量を得ながら、それでいて歯切れのよいトーンを得られるでしょう。

Distモードでは完全なディストーションサウンドとなります。
近年流行りのワイドレンジでアンプライクなディストーションというよりは、ややレンジが狭くピークに特徴のあるペダルライクな歪み方をします。
マーシャルなどの王道系アンプに近いような歪み方ながら、余計な低域と高域はざっくりと削ぎ落とされているのが特徴的です。
似たような傾向を持つペダルとしてはSuhrのRiotやEMMAのReeza等が挙げられるでしょうか。
単体でメタルの刻みやリードが余裕でできるほど歪みますが、音の芯が潰れず常に輪郭がはっきりと出るのでコンプ感が少なく感じられ、よくニュアンスを出すことができます。
反面、ガッツリ歪ませても適当に弾いたらその粗さがそのまま出てきてしまうのである意味弾きにくい側面もあります。

音作りのポイントとしてはまず左上の3wayスイッチによる低域のボイシングです。
x1,x2,x3となるごとに低域が増していくのですが、これがまた絶妙な具合です。
試奏程度の音量ではほとんど違いはわからず、スタジオ練習くらいの音量でようやっと効き具合がわかるという具合なのですが、本当に具合がいいところによく効きます。
基本はx2にしておき、接続先のアンプがスタックタイプなどの低域がよく出るタイプならx1に、オープンバックのコンボアンプなどの低域が弱いタイプならx3にしてやるのが私のオススメの使い方です。
例えばハムバッカー+マーシャルのスタックアンプならx1で十分(メタル系ならx2もアリ)ですし、シングルコイルやJC-120ならx3にしてやれば低域が物足りないということもないでしょう。
もちろんあえて低域が強いアンプにx3を組み合わせたりして相方のギターと音域を棲み分けたりするのもアリな使い方だと思います。

またGD-013はトーンの効きが”渋い”です。
一般的なエフェクターのトーンと同じような感覚で使うと、全然効いていないように感じるでしょう。
これも低域のボイシングスイッチと同様に、ある程度の音量でないと効果がほとんどわからないような具合に調整されています。
一般的なエフェクターのトーンが”トレブル”を調整するとしたら、GD-013のトーンは”プレゼンス”を調整するような感覚です。
絞りきっても抜けが悪いモコモコした音にはならず、また全開にしてもカリカリした音にはならないのが特徴的です。
ですのでどこに設定しても使える音が出てくるのですが、どこに設定するべきか迷うところでもあります。
これも低域のボイシングスイッチと同じく接続先のアンプやギターの特性に合わせて設定してやるのがいいでしょう。

以上のように低域のボイシングスイッチとトーンノブでパッと見は音作りの幅が広いように思えますが、実際は逆です。
ボイシングスイッチもトーンもあくまで微調整の範囲内で、メーカーが想定するサウンドが破綻しないように設計されています。
よりアグレッシブに音を作り込みたい場合はアンプ側のEQをうまく使ったり、EQペダルを組み合わせたりする他ないでしょう。
また他に組み合わせるオーバードライブなどでも調整してあげられるはずです。

今現在私のメインのディストーションとして活躍してもらっていますが、他に買い換える選択肢がほとんど浮かばないほど優秀なペダルです。
というのもペダルライクな歪み方の優れたディストーションというのは意外に数が少ないのです。
アンプライクで優秀なペダルといえば59 preampやBE-OD、Verocityペダルなど数多くの選択肢があります。
一方ペダルライクな歪み方の優れたディストーションといえばEMMAのReezaやVivieのModern Raven、MXRのBadass Distortionなどが候補に挙がります。
しかし比較するとやはり価格の差もありますがこのGD-013に軍配が上がる印象です。
というわけでなかなか代替が効かないのでしばらくはGD-013がメインであり続けるかなと思います。


以上、OvaltoneのGD-013 ver 2.0でした。

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