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2018年9月14日金曜日

【マルチエフェクター】MOOER GE200

音の良さ★★★★☆
操作性★★★★★
コストパフォーマンス★★★★★
オススメ度★★★★☆

小型で安価なエフェクターで大人気のMOOERからマルチエフェクターが発売されました。
発売されるやいなや完売が相次ぎ、今になってようやく落ち着いてきた感があります。

GE200はLine6のPODやZOOMのG3nなどのようなアンプシミュレーター内蔵のマルチエフェクターです。
その音はmicro ampシリーズ譲りでかなり真に迫るものがあります。
価格帯からは想像もできないほどのサウンドと、アンプの種類をラインナップしており、それだけで他のブランドを一気に突き放していると言えます。

アンシミュの数や種類に関してはHPや各種Web情報を参照してもらうとして、ココではサウンドについて触れていきます。
まずもってハイゲインサウンドが素晴らしい。
実在のアンプをモデルにアンシミュが内蔵されていますが、まあ正直「そのアンプの音か?」と言われると微妙なところがあります。
少なくともHelixやAxeといった高級機種に比べると明らかにデフォルメされたサウンドです。
しかしながらだからといってチープなサウンドというわけではなく、「実際のアンプとは違うサウンドだけどこれはこれで良い音」と言えます。
またクリーンサウンドもなかなかどうして良い感じです。
いわゆる真空管の温かみを感じるような味のあるクリーンは苦手ですが、90年代ミュージックやHR/HMで使われるようなクリスタルクリーンはかなり得意としています。
反面クランチサウンドは非常にデジタル感がある、カリカリペラペラした音になっています。

EQやゲインなどの動きは実アンプのそれとは全く異なります。
すべて共通のツマミ設定となっていますし、各種アンプの特徴的なコントロールも再現されていません。
例えばMesa/Boogieのマークシリーズは2つのゲインを有していますがGE200では1つにまとまっていますし、DiezelモデリングにはあのDeepコントロールが存在していません。
ただしアンプモデリングごとにEQの動きがある程度共通しているということは扱いやすさにも繋がります。
詰まる所そのアンプの実際の音を知らなくても直感的に音作りをすることが可能です。
逆にアンプの実際の音やコントロール感を知っていると、「?」となる可能性もあります。
ここらへんはそれで良しとする人と、再現性が低いことを嘆く人と様々でしょう。
それでも価格帯を考えれば十全なサウンドとよく効くわかりやすいコントロールを実現していると言えます。

エフェクト類に関してはMOOERのペダルシリーズに準拠しており、ごく一部を除きHelixなどのように「あのペダル」だとわかりやすいようになっていません。
また空間系やモジュレーション系は必要十分な量とはいえ種類が限られており、そこらへんに拘りたい人にはマイナスポイントだと言えます。
反面歪み系は価格にしては充実しており、アンプシミュレーターと組み合わせて楽しんだり、直接実アンプにつないで普通のマルチエフェクターとして使っても楽しめるようになっています。
ペダル類もアンプと同様に各種コントロールが共通となっているので、前述のようなメリット・デメリットがあります。
また各種エフェクトは種類ごとに1つしか使えません。
そのためコーラスとフランジャーを併用したり、ディレイを2つ以上使って複雑なリズムを作ったりといったことはできません。
このあたりは価格なりの制限と言えるでしょう。

ハードコントロールはマスターボリュームと、プッシュ可能なジョイスティック、各種ボタン類とかなりシンプルにまとめられています。
ぱっと見操作が難しそうというか煩雑になりそうに思えますが、触れてみると非常にわかりやすいと気づくことでしょう。
基本的には画面下のボタンから操作したいブロックを選択し、あとはジョイスティックで操作したいパラメーターのところでプッシュ、コントロールと言う流れになります。
操作に行き詰まったらPLAYボタンかCHAINボタンを押せばそれぞれの画面に戻るので、画面迷子になることもありません。
ONになっているブロックのボタンは点灯し、今何がどうなっているのかも視覚的にわかりやすいです。
エフェクトブロックの入れ替え・並べ替えもCHAINボタンの画面から、ジョイスティックで動かしたいブロックをプッシュして並べ替えするだけと簡単です。

ライブでの実用性としてパッチチェンジのスピードが気になるところですが、そこらへんも価格以上です。
まずパッチチェンジの際の音切れはほとんどありません。最新バージョンになってかなり改善されました。
ただしHelixなどのようにディレイやリバーブのスピルオーバー機能なんてものはないため。そこは少し気になるかもしれません。
また3つあるフットスイッチのうち右側の1つがCTRLスイッチとして使うことができ(普段はタップテンポ)、エフェクトブロック1つのON/OFFを切り替えることができます。
これらのポイントにより、ライブでもかなり実用性が高いと言えるでしょう。
欠点としては2つ以上のエフェクトのON/OFFをCTRLスイッチに割り当てられないこと(9/17修正:CTRLスイッチには2つ以上のエフェクトも割り当てられます。またON/OFFの状態も記憶できます)と、基本的に音色チェンジをパッチチェンジで行うため多数の音色を必要とする曲では不自由を感じる可能性があるということが挙げられます。

以上、価格を鑑みると明らかにスペックオーバーなサウンドと操作性を有した優れたマルチエフェクター・アンプシミュレーターです。
外観も非常に洗練されており、高級感があります。
ZOOMのG3nやBOSSのGT-1などでは満足できないけど高級機種を買うほどではない・・・という方に非常にピッタリだと思います。
特にクリーンとハイゲインしか使わない私のような人にはジャストミートです。
プリセットは1~50がヘッドホン・モニタースピーカー用、51~100がアンプのリターン挿し用、101~150がアンプのインプット挿し用となっています。
ぜひ店頭で試してみてください。

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