音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★★
今回はOvaltoneから34-Xtremeをご紹介します。
名称の由来はEL34管を使用したアンプを再現したエフェクターだからですね。
プレキシ、フリードマン、ボグナーをイメージしたサウンドを創出してくれます。
コントロールは基本的な3ノブで、右上に主にゲイン量を切り替える3ポイントのスイッチと、左上にサウンド傾向を切り替える3ポイントのスイッチを装備しています。
ゲインノブは12時までは各アンプのゲインを再現した感じになっており、12時以降はアンプをプッシュしたようなハイゲインサウンドへ変わっていきます。
この12時を境に、主に低域を中心として音質に大きな変化があり、12時以前は低域がタイトでスッキリとしている一方で、12時以降は低域がかなりプッシュされたサウンドになります。
Ovaltone特有の箱鳴り感も相まって、高速で刻むようなプレイの場合は12時以降の低域がかなり暑苦しいというか、うっとおしく感じられます。
ですのでそういう場合はアンプ側で低域をカットしてやるか、ハイゲインサウンドを作る時は前段にブースターなどを入れて34-Xtremeのゲインは12時以前に抑えるなどの対策が必要になってくるでしょう。
私はゲインは基本的に12時以前に設定して、ブースターと組み合わせてハイゲインサウンドを作るようにしています。
トーンノブはちょっと動かすだけでもかなり音に大きな変化をもたらしてくれます。
それでいながら絞りきっても全開にしても使えるサウンドになるというのが美味しいポイントで、積極的に音作りに活用していくことが可能となっています。
3バンドEQを装備したエフェクターほどではないにしろ、1トーンのエフェクターとしては音作りの幅はかなり広いと言っていいでしょう。
個人的には12時からちょっと上げたくらいで、1時まで行かないくらいが好みでした。
右上のゲイン切り替えスイッチはPがプレキシ、Fがフリードマン、Bがボグナーをイメージしたサウンドとなっています。
ゲイン量で言えばP<B<Fとなっており、Pが特にゲインが低めに設定されています。
Pは高域にハリがあり、低域もタイトですのでクランチサウンドを作ったりオーバードライブ的に使うことが可能です。
後段のペダルやアンプをプッシュするのにもPが最も適していると言えるでしょう。
ゲインノブを12時以降にすることで往年のハードロックくらいは歪むので、用途はかなり幅広いです。
BはPから一気にゲインが上がり、中域に密度のあるガッツ溢れたサウンドとなっています。
上から下までバランスが優れており、34-Xtremeの中で一番扱いやすいサウンドと言えるでしょう。
ゲイン12時以前でもハードロックは余裕で、歯切れのいいサウンドはタイトなリフに最適です。
12時以降では膨らむ低域を逆手に取って、単音でたっぷりと聞かせるリフやリードなんかに使うと迫力が出て良いですね。
FはBから更にゲインが上がり、単体でメタルにも使えるほどのゲイン量となります。
サウンド傾向としてはPに近いですが、そこにさらに低域を大きく加えたものになっています。
ゲイン12時以前は比較的扱いやすいマーシャル系ハイゲインサウンドとなっており、JCM2000程度は歪ませられます。
12時以降はかなり低域がだぶつく感じになり、B以上の迫力となっているため正直扱いにくい部分のほうが目立つ印象です。
左上のサウンド切り替えスイッチはFがフラット、Hが高域寄り、Mが中域寄りのサウンドへと切り替わるようになっています。
Fは34-Xtremeの基準となるセッティングで、まずはここに設定してトーンやゲインで音作りを始めると良いでしょう。
取説には「アンプによってはドンシャリ傾向になる場合がある」と記載がありますが、そのようなサウンドになってしまった場合はアンプのEQを調整するかMに切り替えると良いでしょう。
Hは高域寄りというか、高域が強調された鋭いサウンドへと変化します。
トーンノブとはまた違った帯域の高域が強調されるため、トーンノブで調整してもいまいちハイが抜けてこないという場合はこちらにしてやると改善される場合があります。
個人的にはFやBで低域が多少だぶついているような時にこちらのHにしてやることで良い具合になると感じられました。
Mは中域が強調され、リードに最適なサウンドへと変化します。
Fに比べるとあたかも前段にTS系を挟んだかのような豊かな中域が得られるため、音抜けが抜群に良くなります。
一方でリフ主体で使う場合にはやや暑苦しい感があるため、アンプ側のEQでうまいこと調整してやる必要があるでしょう。
個人的にはFを基本にしつつ、クリーンサウンドとの音質変化が少ないように適宜MやHに切り替えて使うのが良い感じです。
全体的なサウンド傾向としては他のディストーション系エフェクターと比べてかなりアンプライクな部類という印象です。
ボリュームやピッキングへの追従性も高く、またゲインの設定幅もかなり広く取られているためあらゆるジャンルへ対応することが可能でしょう。
歪みの質自体も王道のマーシャル系ですので、コレが嫌いな人はそうそういないんじゃないかと思われます。
JC-120と組み合わせても、特有の箱鳴り感のおかげで真空管アンプを大型キャビネットを鳴らしているかのような迫力を得られます。
ちなみに同じOvaltoneのGD-013というエフェクターと比べると、サウンド傾向としては両方共王道系の歪みサウンドではあるのですが、結構違いがありました。
まずGD-013のほうが明らかにエフェクターライクで、音にゴロッとした塊感があります。
またトーンノブの効きはGD-013がかなり渋いというか狭いのに対し、34-Xtremeは広いです。
ゲイン幅は各種モード切り替えスイッチを使うことで両方共同じ程度のゲイン幅を有していますが、低域のだぶつきが無いため単体のハイゲインとして使いやすいのは明らかにGD-013でした。
これらの違いはどちらが良い悪いというわけではなく、あくまで好みの問題であることに注意してください。
とまあいろいろ書きましたが、非常に扱いやすく万人におすすめできるマーシャル系ディストーションペダルです。
アンプや竿、音楽ジャンルを選ばずに使えるペダルですので一度試してみることをオススメします。
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