ディレイタイム★★☆☆☆
音のクリアさ★★☆☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★★★
&K. Laboratoryは国内のエフェクターブランド。
今回はそこから現在メインで使用しているディレイペダルである木霊ディレイをご紹介します。
有名ドコロだと小沼ようすけさんなどが使用しているとかなんとか。
木霊ディレイは一言で言えばエコープレックス系プリアンプ+アナログディレイというハイブリッドペダル。
「エコープレックス系ならテープエコーなサウンドじゃないの?」という疑問はもっともですが、サウンド自体はテープエコーというよりはアナログディレイな風味を持っていると感じられました。
すなわちテープエコー的な音の揺れや濁り感はほとんど無く、音が綺麗に丸く劣化していく温かみのあるアナログチックなディレイ音だということです。
このディレイ音が原音の邪魔をせず、かつ適度に主張してくるという具合の良い感じになっています。
コントロールはレベル、ミックス、リピート、ディレイタイムの4つ。
まずこれが全部12時でちょうどいいサウンドになるというのが素晴らしい。
原音と音量が変わらず、美しく音楽的な、まさしく「こだま」なディレイサウンドが得られます。
12時でのディレイタイムはだいたい250~300msといったところで、リピート、ミックスとともにリードを弾くのにちょうどいい設定です。
そこから適宜好みに調整してやればいいので、とても音作りがしやすいペダルだと思います。
ミックス、リピート、ディレイタイムはディレイペダルの備える標準的なコントロールですが、特徴的なのがレベルです。
このレベルによって音量全体のブースト/カットが可能になっています。
先述の通り12時で原音とほぼ同じ音量になるため扱いやすいのがポイント。
カット方向では0にすれば無音になり、上げきればパワーアンプを歪ませられるくらいのブーストが可能です。
これによりギターソロでディレイを踏むと同時に音量も上げることができるため非常に使い勝手が良いです。
ただヘッドルームの小さな小ワット数の真空管アンプだと音量が上がらず歪みが増えるだけになる場合もあります。
木霊ディレイのプリアンプサウンドは先述の通りエコープレックス系で、中域に密度があり高域が少し丸くなるのが特徴です。
レベルが12時以前ならこのプリアンプ効果は控えめになり、12時を超えると徐々にプリアンプ効果が強くなっていきます。
すなわちレベルをブースト方向にセットしていると、ディレイをオンにしたら原音がプリアンプ効果によって変化するのです。
この原音が変化する点は人によってはNGな場合もあるでしょうが、個人的にはバッキング(ディレイ無し)とリード(ディレイ有り)のサウンドを差別化できるというメリットとして受け止めています。
バッキングはドンシャリな一方で、リードはミドルを出して音抜けを確保するというような使い方にも向いています。
ちなみにレベルを12時に設定していてもちょっと原音に変化があります。
原音の変化が嫌な場合はレベルを12時以前に設定してやるか、素直に別のディレイを使うことをオススメします。
こんな感じで、プリアンプ効果の得られるディレイペダルという珍しいタイプのエフェクターです。
しかもプリアンプ効果がオマケみたいなものではなく、実戦的に使うことのできるサウンドというのも素晴らしいポイント。
ミックスを0にすればプリアンプ効果のみを得ることもできます。
空間系ペダルに求められがちな「原音重視」というポイントをあえて逆手に取り、「原音を変化させる」プリアンプ効果を持たせた面白いペダルです。
中古どころか新品でもなかなか見ることのないエフェクターですので、見かけたらまず試してみることをオススメします。
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