このブログを検索

2017年11月19日日曜日

【エフェクター】Amptweaker Big Rock Pro

歪み量★★★★★
音作りの幅★★★★★
コストパフォーマンス★★★☆☆
オススメ度★★★☆☆


Peavyの5150アンプを開発したJames Brown氏によるブランドAmptweaker。
音の良さは然ることながら、非常にユーザーの視点に立った機能を盛り込んでいることで人気を博しています。
今回はその中から最も幅広いジャンルで使っていけるBig Rock Pro(BRP)を紹介します。

このBig Rock Proは従来ラインナップされていたFat RockとTight Rockのサウンドをまかないつつ、さらなるサウンドバリエーションを持たせたモデルです。
基本的なサウンドキャラクターはマーシャル系であり、歪みの質感や歪み量としてはJCM900が最も近いです。実際JCM900のクリーンチャンネルにこれを突っ込んだ音とJCM900のゲインチャンネルの音は驚くほどよく似ています。
それを基本に各種DIPスイッチでトーンシェイピングしていくことで、かなりクラシックな歪みからスラッシーな歪みまで対応力を高めています。

コントロールは3バンドEQとゲイン、ボリューム、そしてAmptweakerお得意のTightの6つ。
Tightコントロールは上げていくことで低域を引き締め、文字通りタイトなリフなどに効果を発揮します。低域がボヤつきがちなハイゲインな設定の時なんかは上げ気味にしてやると、音の輪郭がはっきりとして気持ちのいいサウンドになってくれます。
ローカットとはまた違うこの感覚は、慣れると非常に病みつきになり、他のペダルやアンプにも搭載して欲しいと思うようになってしまうほどです。

DIPスイッチは5つ付いています。左から紹介しましょう。
MID BOOSTはブーストONにした時に中域を特に持ち上げるスイッチ。リードの時などは入れておくと音がとても前に出てくれます。
Plexiスイッチはよりクラシカルなマーシャルサウンドに近づけるスイッチ。感覚としてはミドルがカットされ、トレブルが付加されるような感じなのでキレの良いバッキングなどにオススメ。
Smoothスイッチはハイをカットすることで音に滑らかさを加えるスイッチ。リード主体の時や、あまりギターサウンドを主張させたくない時に使えます。
Gateスイッチは内蔵のノイズゲートのON/OFF。ゲートの効きは内部トリマで調整できます。単体のノイズはこれで十分シャットアウトできる効きの良さ。
Gainスイッチはよりハイゲインにするためのスイッチ。プレキシくらいのゲインを狙うならOFF、JCMシリーズくらいのゲインを狙うならONにしてやりましょう。

さらにこれには3つのエフェクトループが搭載されています。
筐体右上はブーストONの時に有効になるループ。
筐体左上はBRPがONの時に有効、OFFの時に無効になるループ。
これら2つのループはそれぞれ内部DIPスイッチにより歪みの前に挟むか後に挟むか選択することができますので、ブースターを入れたりモジュレーション系を入れたり空間系を入れたりと多彩に使っていけます。
筐体左サイドにはBRPがOFFの時に有効、ONの時に無効になるループ。
すなわちクリーンサウンド用のエフェクトなんかはこちらに入れると良いですね。緑のLEDが付いています。
これらループのおかげでBRPをスイッチャー的に使うことができ、ライブでの操作性を上げることが可能になっています。

さらにブースト回路を搭載し、メインの歪みの前でのブースト量と後でのブースト量をそれぞれ設定できます
通常ブースト回路を搭載したエフェクターといえばどちらかしかできないものが多く、前段でブーストすればゲイン量は上がるけどボリュームは上がらず、後段でブーストすればボリュームは上がるけどゲイン量は上がらずと歯がゆいものでした。
それをBRPは解消し、ゲイン量もボリュームも上げることができます。それぞれのコントロールを独立させて設定することが可能です。
ONの時はノブ自体が点灯するため視覚的にもわかりやすいです。

18V駆動にも対応しており、よりダイナミクスをつけたり、もっとアンプライクにしたい場合は18Vで使うといいでしょう。
バッテリーも2つ入れることができるため、バッテリーでも18V駆動が可能です。
しかもバッテリーボックスは工具無しで開けられるため交換も容易です。内部DIPスイッチもバッテリーボックスを開けることでアクセスできます
バッテリー駆動時は本体上部のスイッチで電源のON/OFFができるため、いちいちケーブルを抜き差ししなくて良いのもボード固定派には嬉しいところです。

と、以上のように非常に多機能で実践的な使い勝手の良さが際立つ素晴らしいペダルです。
音もさすが5150アンプを開発したBrown氏がデザインしただけあり、非常に音抜けのいい、あらゆるジャンルに対応できるであろうサウンドになっています。
欠点としては国内流通数が非常に少なくて購入が難しいことと大きめの筐体サイズでしょうか。
また多機能の弊害として内部パーツが非常に混み合っているためか、やや故障率が高いように思います。私も2年ほど使っていて2,3回トラブルがありました(通電しても音が出ない、ブーストループが機能しないなど)。5年保証があるので、できるなら新品で買いたいところです。

試奏動画もアップしているので、チェックしてみてください。

以上、AmptweakerのBig Rock Proでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿