お役立ち度★★★☆☆
組み込みやすさ★★★★★
コストパフォーマンス★★★★☆
オススメ度★★★☆☆
ペダルボードを組むにあたって、必要なのはエフェクトボード、エフェクター、パッチケーブル、パワーサプライ、DCケーブルなどなど。
組む人によって千差万別なのがペダルボードの面白いところです。
今回はペダルボードを組むにあたって、必須ではないけれどあると便利な2アイテムをご紹介します。
まずはOne Controlのジャンクションボックス。
これはボードの出入り口を一つにまとめることで、ボードレイアウトの自由度を広げると同時に、セットアップのスピードアップにもつながるアイテムです。
単純に4つの穴がそれぞれでつながっているだけなので、電源も不要ですし向きも問いません。
加えてこの小ささ(ミニペダルサイズ)なので置く場所も取らないと、何かと小回りが効いて使いやすいのがウリです。
正直私はジャンクションボックス不要派だったのですが、これを導入することで明らかに演奏の準備をする時間が短くなりました。
またボードを組む際にインプットとアウトプットの位置を気にしなくて良くなったため、ボードのスペースをより広く使うことができました。
特にスイッチャーを使う場合、スイッチャーのインとアウト付近はエフェクターやパッチケーブルでごちゃごちゃしており、ギターシールドを抜き差しするのは厳しい事が多いです。
そこでジャンクションボックスを使うことで予めスイッチャーのインとアウトをこれに繋いでおけば、ギターシールドの接続も容易になるというわけです。
これを導入すると当然接続用にパッチケーブルが多く必要になり、またケーブル長も使わない場合より長くはなってしまいますが、セッティングの簡便さには代えがたいものがあります。
またケーブルの抜き差しがこのジャンクションボックスだけで行われるため、パッチケーブルやスイッチャーの接触不良などのボード自体のトラブル発生率が軽減されるというのも大きなメリットと言えるでしょう。
問題が起きるとしたら抜き差しを行うこのジャンクションボックスですが、安価なため買い替えも容易ですし、万一ライブ前に問題が起きてもこれを外して直接スイッチャーなどのイン・アウトを使うという方法で切り抜けられます。
エフェクターを多用する人やボードを頻繁に入れ替える人に是非オススメします。
もう一つはTrue ToneのPure Tone Bufferです。
こちらは入力された信号をローインピーダンスに変換するバッファになります。
ON/OFF切り替えも、LEDも無い非常にシンプルなモデルです。
以前はVisual Sound名義で販売されていましたが、社名変更に伴い現在はTrue Toneとなっています。
バッファと聞いて「音がバッファ臭くなる」「音が劣化する」とイメージする人も多いでしょうが、はっきり言ってそれは大きな間違いです。
そうしたイメージはトゥルーバイパスの「信号をそのままバイパスする」という利点をことさらフィーチャーするために喧伝された誤ったものです。
またBOSSのエフェクターにはバッファが内蔵されており、BOSSのバイパス音に違和感を持った人がいたために、なおのことそうしたイメージが広まったものと言えます。
BOSSのバイパス音やトゥルーバイパスについてはここでは言及を控えます(後日コラム記事でも作ります)が、兎にも角にも「バッファを通したサウンドは悪い」というのは誤った認識であると断言します。
ギターから出力された信号はハイインピーダンスの非常に弱い信号です。
外来ノイズの影響を受けやすく、また長いケーブルを引き回せばどんどん信号は弱くなり、劣化していきます。これがいわゆるハイ落ちやレスポンスの低下、ボリュームの減少として現れてきます。
バッファはこのハイインピーダンスの信号をローインピーダンスという強い信号に変換する役割を持っています。
ローインピーダンスになると外来ノイズに強くなり、長いケーブルを引き回しても信号が劣化しにくくなります。
ですので、なるべくギターに近い場所にバッファを置くことが肝要となるわけです。
プリアンプを内蔵したアクティブピックアップのギターの場合、ギターから出力された時点でローインピーダンスの信号となっているため、そういう意味では最高の状態と言えますね。
信号を変換するわけですから、当然そこには多少の音色の変化があります。(これが”そういう”人にとっては、いわゆる「バッファ臭い音」ということになるんでしょうね。)
で、このPure Tone Bufferはそうしたバッファの役割をシンプルにこなすものです。
すなわち入力された信号の音色を極力変えずにローインピーダンスに変換して出力するということです。
これ単体を繋いでブラインドテストをしても、ほぼ100%わかりません。だってそういうエフェクターなのですから。
ですがこの後に2個、3個とエフェクターを繋いでいって、バッファの有無をブラインドテストしたら、きっとわかってくるはずです。特に弾き手はアタックやサステインの伸び具合、ピッキングレスポンスで違いを感じるはずです。
これを繋ぐだけで、後にたくさんエフェクターを繋いでもアタックの鋭さがキープされ、レスポンスも維持されるのです。
まるで魔法の小箱みたいな感じですが、何もこれでなくとも、BOSSのエフェクターなどバッファが内蔵されているエフェクターを最初に繋げばある程度似た効果は得られます。
このPure Tone Bufferの凄いところは、原音に対する色付けがほぼ感じられないというところにあるのです。
またローインピーダンス化することによって、後段のエフェクトのノリが明らかに良くなります。
歪み系はさほどではありませんが、モジュレーション系や空間系では如実に感じられます。
俗にEMGはエフェクトのノリが良いと言われていますが、それもローインピーダンスな信号による恩恵なのかもしれませんね。
クリーン主体でエフェクトを多用する人にこそバッファは効果てきめんというわけです。
Pure Tone Bufferはサイズも小さいためボードに組み込みやすく、またスイッチでON/OFFしなくてもいいのでジャンクションボックスやパワーサプライの下などに潜り込ませられます。
パワーサプライの供給口が余っているけどエフェクターを追加するにはスペースが微妙・・・という人にまず検討していただきたいアイテムです。
と、ジャンクションボックスとバッファをご紹介してきましたが、これらが一体化した便利なものも現在は各社からリリースされています。
Bambasic EffectsやEmpress、CAJなど選択肢は様々ですので、自分のボードサイズやレイアウトに合ったものを選びたいですね。
ただ値段でいうならば、今回紹介した2アイテムを導入するのが最も安価で省スペースだと思います。
以上、One ControlのJunction BoxとTrue ToneのPure Tone Bufferでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿