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2017年11月30日木曜日

【アンプ】YAMAHA THR5

音量★★☆☆☆
音作りの幅★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★★
オススメ度★★★★★

日本が誇る総合音響メーカーYAMAHAが送り出した家庭用アンプがTHRシリーズです。
THRシリーズには10を基本にジャンルやサウンドによって様々なものが存在していますが、今回は最も小型で基本機能のみを備えたシンプルなTHR5をご紹介します。

THR5はギターをプラグインするだけでクリーンサウンドからメタルサウンドまで楽しめる、自宅練習に特化したアンプです。
上位機種のようにベースに対応してはいませんし、3バンドEQではなくTONEコントロールだけになっているなどかなりシンプルになっています。
しかしギターに必要なサウンド、機能は十分に押さえていますので初心者から上級者まであらゆるプレイヤーにオススメできます。

サウンドキャラクターは5チャンネル備えており、切り替えてプレイすることができます。
CLEANはソリッドステートアンプを模した完全なクリーンサウンド。エフェクターを繋いだりするのに最適な、無味無臭のサウンドです。
CRUNCHは真空管アンプのクリーンチャンネルと言った感じで、若干のコンプレッションがあります。CLEANだと味気ないというような場合にオススメです。
LEADはクラシックな真空管アンプをフルアップしたようないなたいドライブサウンド。GAINを上げるとジリジリとした歪みに、MASTERを上げると滑らかな歪みになります。
BRIT HIはマーシャル風のドライブサウンド。単体でもリフを刻める程度の歪みが得られ、このサイズながらなかなか弾き心地の良いバランスで鳴ってくれます。
MODERNはモダンなハイゲインサウンド。このサイズのアンプだと低域が出てこなくて貧弱な音になりがちですが、このTHR5は十分すぎるほど低域が出てきます。ですのでGAINは上げすぎず12時くらいまでにして使ってやると、とてもナイスなサウンドになってくれます。

EQはTONEのみで、チャンネルごとに効きが最適化されています。
具体的には3バンドEQを内蔵しています(PC用エディターでは3バンドEQをコントロール可能)が、TONEつまみで総合的に動かしていく感じです。
例えばMODERNチャンネルではTONEを上げることでミドルがカットされながらローとハイが持ち上がりますし、CRUNCHチャンネルではTONEを上げるとローがカットされながらハイとミドルが持ち上がります。
ここらへんのさじ加減はさすがYAMAHAで、うまい具合に設定が推移していきます。
つまみが1つですので初心者にも優しいですし、変な設定になることがないので音も破綻しにくいという利点もあります。
そもそも自宅練習用なのでこれくらいシンプルでも問題ないというところでもありますが。

モジュレーション系エフェクトや空間系エフェクトも内蔵しており、それぞれステレオで鳴ってくれるのでなかなかどうしてリッチな音になります。
モジュレーションとしてはコーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ。
空間系としてはディレイ、ディレイ+リバーブ、スプリングリバーブ、ホールリバーブ。
それぞれつまみを回していくことで切り替えてかかりの強さを設定します。
どれもクセが無く綺麗に鳴ってくれるので、エフェクトの基本を抑えるという意味でも初心者には最適でしょう。

音量はこのサイズですがかなり大きめです。
もちろんギターの生音くらいの音量で鳴らすこともできますので、アパートや密集した住宅街でも使うことができます。
12時くらいまでボリュームを上げれば簡単なジャムセッションくらいなら十分できるほどの大音量になります。
ただ筐体自身が振動してしまうため、あまり大きな音が得意というわけではありませんのでご注意ください。

ヘッドホン端子を備えており、夜間や壁の薄いアパートなどでの練習にもガンガン使っていけます。
このヘッドホンからの音もかなり上等で、これまでのアンプに付いていたヘッドホン端子からの音とは一線を画します。
まるでスピーカーから鳴っているかのような音がそのまま聴こえるため、練習にも身が入ること間違いなしです。
もちろん内蔵エフェクトもきれいにかかりますし、ゲインを上げた音やエフェクターと合わせた音も素晴らしいです。
ヘッドホン端子に接続すると、自動でスピーカーからの出力はミュートされます。

PCとUSB接続したり、AUX端子とオーディオプレーヤーを繋いだりすることで外部音源と合わせて演奏することができます。
THRのスピーカーはギター用かとおもいきやわりかしクセが少ないので、単純に音楽再生用のスピーカーとしても使えるのがうれしいですね。
で、THR5で外部音源と合わせて演奏する場合外部音源の音量はそれぞれのプレーヤーで、ギターの音量はTHRのMASTERで、それぞれのミックスした音の音量をVOLUMEで操作する感じになります。
ここらへんは慣れないとちょっと難しいのがTHR5の難点と言えます。上位機種のTHRシリーズではそれぞれのボリューム専用のツマミがあるので簡単に音量調整ができます。

オーディオインターフェースとして使うこともできるため、THRとPCをUSBで接続するだけで簡単に素晴らしいサウンドを録音することができます。
マイキングや音量などの問題を気にすること無く、手軽に良い音で録音できるので、練習中に思いついたリフなどをササッと記録しておくような用途にもぴったりです。
PCと接続することで専用エディターで細かな音作りも可能になりますので、演奏動画をこれを使って録音したり、なんなら本格的なレコーディングにも使っていくことができるでしょう。

重さは2kgとかなり軽量に仕上げられていて、自室からベッドルームに移動させたりするのも楽ちんです。
見た目もYAMAHAらしく上質なインテリア調であり、パッと見ただけではとてもギターアンプとは思えないほどです。
付属のアダプターが長めのでコンセントから遠い所でも使えますし、電池駆動ができるので屋外での使用にももってこいです。

価格も2万円前後と非常に安価に抑えられています。
正直な所、自宅練習用アンプとしては他にも刀アンプや各種低Wアンプなど様々なメーカーが出していますが、THRがベストだと私は思っています。
価格もそうですが、何よりPCと接続して使えることと、ヘッドホンでのサウンドの上質さが他のアンプより一歩抜きん出た使い勝手の良さを産んでいます。
マルチエフェクターとは違い、これ単体で本格的なギターのスピーカーサウンドを楽しめるというのも大きいです。
初心者から上級者まで、自宅練習用アンプに悩んだらTHRを基準にして考えてみることをオススメします。

THR5を使った演奏動画も投稿していますので、よかったらチェックしてみてください。

<THR5 MODERNチャンネルとBOSS OD-3,CH-1を使用>

<THR5 CLEANチャンネルとAmptweaker TMP、Blackstar HT-Blackfire、Jim Dunlop DB-01を使用>

以上、YAMAHAのTHR5でした。

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