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2018年5月12日土曜日

【エフェクター】KarDiaN CHCl3 クロロホルム

歪み量★★★☆☆
音作りの幅★★★☆☆
コストパフォーマンス★★★☆☆
オススメ度★★★★☆

2017年に始動し、その音の良さとルックスから大きな話題となったKarDiaN。
現在はアドレナリン、ニトログリセリン、クロロホルムの3種の歪み系エフェクターをラインナップしていますが、今回はその中からクロロホルムをご紹介します。

クロロホルムはいわゆるトランスペアレント系に分類されるオーバードライブと言えます。
同じオーバードライブの類であるニトログリセリンはどうかというと、若干ダーティな要素が入ってくる、少し古い味のあるオーバードライブだという印象です。
一方クロロホルムは原音に対する色付けが非常に少なく、素直に歪みや倍音を加えてくれるタイプのオーバードライブです。
誤解を恐れずに言えば、トランスペアレント系の教科書通りなサウンドを作り出せるペダルという印象です。

他のトランスペアレント系ペダルとの違いは何処かと言うと、ゲインを上げた時の歪みの質感の自然さと、EQの効きの絶妙な美味しさにあると言えます。

トランスペアレント系ペダルの共通点として、ローゲイン設定時は素晴らしい一方でゲインを上げるとファズっぽい音の潰れ感が出てきたりするというものがあると考えています。
しかしクロロホルムにはそれがないんです。ゲインを上げた時も自然なサウンドのまま歪み量だけが上がっていき、音が破綻することがありません
つまりゲインを0~10までフルに使って音作りができるというわけで、これはかなりの汎用性の高さに繋がると言えます。

また2つ備えられたEQは効きが非常に良いようで、実際調整してみるとあまり極端な変化は無いように感じるという奇妙な感覚を覚えるものになっています。
これはEQの効く帯域と調整幅がかなりギタリストにとっていい具合に設定されているからだと思いますが、まさに「ここが持ち上がってくれると音が抜ける」「ここをカットして音を大人しくしたい」と考えるところを調整できるようになっています。
しかし改めて調整後と調整前のサウンドを聴き比べてみると、調整中に感じられるほどの変化があまり無いような感じがする、でも実際に音はちゃんと変化して思ったように調整できているという不思議な感じになります。

「結局効きが良いのか悪いのかどっちだよ」と聞かれれば、効きが良いと言えます。
つまるところ音はしっかりと変化しますし、調整中はしっかりEQが効いているのを実感できますから。
ただ調整前と調整後のサウンドが似通ったように感じられるのは、おそらくクロロホルムの持つ音にとにかく一貫性があり、どう設定しても破綻しないという特徴があるからだと考えられます。

見た目もさることながら、トランスペアレント系という分類にありつつもオリジナリティの確立したサウンドを有した稀有なペダルです。
内部も非常に美しい造りになっていますし、外観は手作業のため全く同じものが2つとないということで所有感も満たしてくれます。
扱いやすく汎用性が高いオーバードライブをお探しの方に非常にオススメです。


以上、KarDiaNのCHCl3 クロロホルムでした。

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